本物のDX活用とは?  セリアのすごいデータ経営

100円ショップのセリアさんの営業利益率は10%と高収益率で、競合他社の2〜3%を大きく引き離しています。

同社の強みはデータを経営に生かし切っているからだと言われています。

2021年5月19日付の日本経済新聞の記事「セリア、100均でも高収益 アルゴリズムで売れ筋解析」によると、以下の引用文で紹介されている独自の発注支援システムによって、売れ筋商品を外さない経営を実現し、70日近くあった棚卸し資産回転日数は足元で50日台まで改善させたとのことです。

”セリアが使うのがセリア・パーチェス・インデックス(SPI)と呼ぶ指数を取り入れた発注支援システムだ。商品ごとの顧客千人あたりの販売個数を全社ベースと店舗ごとに自動で毎日算出する。店舗面積や季節要因のデータを組み合わせ、優先して発注する商品のリストを作る。スタッフはタブレットで1日に1回、システムの指示に従って発注すれば済む。”

セリアの河合映治社長は、わたしの元職でもある大垣共立銀行に在籍されていました。

当時、財務データとその他の企業情報を用いて、自動的に貸出審査をするシステムを作られました。

お互い銀行員だったとき、河合さんに少しだけお話をうかがう機会がありました。

自動審査システムの仕組みや、統計や金融工学的なことなど、わたしには理解しきれない内容でしたが、この銀行にもすごい人がいるもんだなと驚くとともに、尊敬の念を抱いたものです。

ご親族が経営されていたセリアに参画されてからは、新聞や雑誌に頻繁に取り上げられて、そのご活躍ぶりを拝見するたびに、やはりあの方はとんでもない人だったんだなと、毎度感動するばかりです。

データを活かす経営の真髄について、いつかうかがってみたいものです。

最近では、DX(デジタルトランスフォーメーション)というキーワードが飛び交っていますよね。

経済産業省が2018年12月にまとめた「DX推進ガイドライン」によるDXの定義はつぎのとおりです。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

要するに、「データを使った経営してみなよ」ということでしょうか。

バリバリのDX活用企業セリアさんのようにはいかないですが、会社に日々蓄積されるデータは、必ず経営に役立てることができるはずです。

データを活用するためには「このデータから、こんなことがわからないかな?」「こういう切り口でデータを分析すれば、あんなことがわかるはずだ!」という純粋な好奇心や、何らかの仮説を持って分析すると良いと思います。

まずは、システムに溜まったデータをcsvで吐き出して、Excelでコテコテいじってみましょう。

データを利益に変えろ!

「大学院で統計解析を少し勉強して、意気込んで統計ソフトも買ったけど、使いこなせていないなー。」

エクセル関数のVLOOKUPやピボットテーブル程度でも、なかなか役立つ分析ができるものですよ。