事業承継に備える株価対策
次回の決算期を区切りとして、30代のご子息に事業承継をされる企業さんで、財務会計の勉強会をしていたときのこと。
会社の支配権と株式の持ち分割合について議論していると、社長交代時点で現社長と後継者で100%の持ち分になるということで、問題ないですねと一旦はなりました。
しかし、会長になられるお父さんの持株割合が50%を超えており、相続も見据えると早めに後継者に集中させる必要があることを再認識いただきました。
そこで問題になったのが、株価についてでした。
顧問税理士さんが計算した株価は◯◯円と高値がついており、今期は少ない株数しか贈与できなかったとのことでした。
長年おつきあいさせていただいている企業さんなので、実態の貸借対照表のイメージは持っており、実質の純資産がようやくプラスになって2年目ぐらいの認識だったのでとても驚きました。
計算根拠を示した資料を拝見すると、簿価ベースでの計算でした。
計算方法によっては簿価を使うものもありますが、含み損を抱えている場合だと、簿価自体を下げる手段もあるのに、これはまずいんじゃないかと。
わたしからは、セカンドオピニオンとして第三者に株価を計算してもらうことを提案しました。
こういうケースでは、顧問税理士さんにも十分に配慮することが必要なので、たとえばメイン銀行さんにお願いしてみるのも手ではないかと思います。
60歳の誕生日を迎えた経営者、複数の目で見てもらいながら株価を計算しましょう!
「会社側が株価計算について詳しく知らないからって、こんなのひどいんじゃないの!」
一時は債務超過だった会社が、株価のことで悩むことができるようになったのはとてもうれしいんですけどね。