今年後半の企業業績はどうなるか K字型回復とは?

日々お会いする経営者の方々からうかがう情報から、コロナ後の企業業績の行方を考えてみます。

あくまでも私の狭い行動範囲で得た情報ですので、その点はご承知おきください。

輸入木材が不足しており、木材価格が高騰しています。

アメリカの巣ごもり消費拡大で、中国からアメリカへの海上輸送が急増し、港の機能が混乱した結果、海上コンテナが不足する事態が続いています。

また、アメリカの旺盛な住宅建築需要もあって、日本で使われる木材の50%を占める輸入木材が不足して、価格が高騰し始めました。

建設会社さんや、木工業者さんの仕事に直接影響が出そうなので、とても警戒しています。

コロナ禍の昨年1年間で家計の貯蓄が36兆円増加したとの試算もあり、コロナ後はこのお金が消費に一気に回るのではないかと予測する人もいます。

自動車はアメリカ、中国でも販売好調ですし、ロックダウンが解除されたイギリスの街中の様子を見ても、抑圧されて生活していた人々が一気に外で楽しんでいるようです。

ワクチン接種が進んでいる欧米では、マスクを外して人が集まり始めていますが、日本ではマスク着用や、大人数で居酒屋やカラオケで騒ぐという行為が、ワクチン接種が進んでもすぐに戻るようには思えません。

このような傾向が続くと、人と外で会う機会が戻りきらないため、服やアクセサリーなどのファッション関係の苦戦は長引いてしまうのではないかと心配しています。

大型の飲食店や商業施設など人が集まる場所への投資が差し控えられること、先に述べた木材価格の高騰もあり、店舗に関係する建設関係業種にとっても不透明な時期が続くでしょう。

スーパーの生鮮食料品は依然として好調ですが、少人数での外食ができるようになっていけば巣ごもり消費も徐々に落ち着くため、昨年より伸びるということはなさそうです。

こうしてみるとコロナ後といっても複雑な要因があり、個別の企業単位で見ると、まだら模様な業績推移になることが予想されます。このような現象を最近ニュース記事で見かける「K字型回復」と呼ぶのでしょうか。

「まだコロナ融資の資金は残っているから大丈夫そうだけど」

われわれコンサルタントは、企業ごとの外部環境を丁寧に把握しながら、資金繰りや戦略判断の支援をしていかなければなりませんね。