レポート作成の流儀

銀行員時代に、貸出稟議書なるものを書いていました。

入社3年目ぐらいまでは、稟議書フォーマットの限られた枠の中に、10行程度でまとめることが多かったのですが、だんだん「重たい」案件を扱うようになると別紙で何ページも書く必要に迫られます。

貸出残高や決裁金額が一定額より大きい案件は役員や頭取まで回っていくことになるため、抜け漏れなく論理的に書かないと、上司から何度も突き返されてしまいます。

「藤榮くん!」と不機嫌そうな上司に呼ばれて稟議書の手直しを命じられるのを、嫌というほど経験しました。

その頃は、ただ名前を呼ばれるだけでビクッとしてしまうようになったほどです。

上手く書けない自分がくやしくて、何か良い方法はないかと先輩方が書かれた稟議書を漁りました。

たくさんの文書を見比べていると、設備投資ならこの書き方、運転資金ならこの書き方といった感じでそれぞれに共通する構造が見えてきました。とくに、文章中の見出しの内容と、それが出てくる順番が共通しているということに気づきました。

そんなことは、普通の人なら最初からわかっていることなんだと思いますが、その頃のわたしには大発見でした。

レポートを書く時は、見出しを先に決めろ!

「なんだ、こんなことなら誰か教えてくれればいいのに!」

文章を書くときは、いきなり書き始めずに、書きたいキーワードを「見出し」にして並び替えてから内容を書く。

当たり前の書き方を、ずいぶん遠回りしてゲットしたわけですが、レポートを書くことが多い今の仕事でも大いに役立っています。

おかげで、今では名前を呼ばれてもビクッとしません(笑)