金融機関の決算書チェックポイント
名古屋税理士会岐阜北支部さまの研修会に登壇させていただきました。
金融機関が決算書をどうみているのかというテーマでしたが、金融機関は実態財務を見ている一方で、ビジネスの実態はなかなか見えていないこと、その見えていない部分を数字とからめて金融機関に開示することを税理士先生にはぜひ支援していただきたいというメッセージをお伝えしてまいりました。
金融検査マニュアルが2019年4月に廃止されたものの、金融庁が公表している「検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方」(案)を確認してみても急に金融機関が決算書の見方=格付けの仕方を変えるような動きはなさそうです。むしろ、現在の格付けシステム自体はリスクを見積もる目的を考えると非常に合理的であるため、変えようがないのではないかというのが私見です。
ただ、従前から言われているように財務を見るだけではわかりづらい企業の実態をつかんで、融資判断に活用することは金融庁が指摘するまでもなく必要なことであり、それは財務分析から仮説を設定して、実際の企業活動をチェックすることで経営改善のための課題を抽出することができることを、具体的な事例を用いて説明しました。
企業経営者は税理士の先生をとても身近な相談相手としてとても頼りにしていますが、税理士さんへの報酬と期待する業務のバランスがとれていないという側面も感じているため、ぜひ支援サービスに値段をつけて、有料で相談対応いただくこともご提案しました。