価格戦略のインパクト

全世界の公開企業1200社の損益計算書の平均値を使って、価格を1%上げると営業利益がどれだけ増えるのかシミュレーションすると、11%増加するという結果になるとのこと。

3%値上げすると営業利益は30%以上跳ね上がる。

逆に5%値下げすると、同じ利益を確保するために必要な売り上げ増は、なんと17.5%も必要。

こうしてみると、価格マネジメントはとても重要であることがわかります。

しかし、なかなか価格戦略は企業経営においてなかなかクローズアップされないテーマのような気がします。

製造業では、量産ものだと取引先からは毎年改善という名の値下げ圧力が来ます。古い付き合いだと、こちら側のコスト構造も丸裸にされている。こういうケースは価格交渉というよりは、別の仕事を探さないと赤字体質から抜け出せません。

一方、実は他社でもできそうだけど、QCDの中のどれかが不足して結局は自社に戻ってくるような仕事では、積極的に価格交渉するべきです。

実際にかかっている製造原価を計算するところから始めて、交渉時の落とし所を定量的に把握しておくことは必須です。

赤字体質の会社は、原価を計算していないことがほとんどで、価格も言い値だとか、感覚で決めていることがよくあります。

価格は利益へのインパクトが強烈にあるとの認識を持っていただき、製造業であれば、まずは作業日報の記録から始めてみることをおすすめしています。

見積もりの時点で勝負は決しています。

しっかりと利益を出している会社の社長は、見積もりが上手いです。

価格戦略の巧拙は、利益に直結する!

「価格提示はなんとなく後回しになりがちだけど、思い切っていけばすんなり通ることも多いです!」

数字が苦手とかいってる場合じゃないです。

すぐに見積もり方法の見直しに着手しましょう!