困難なことを積極的に選択する戦略
今日お伝えするのは、次のような話に乗る感覚とは違うんですよね。
「これをこの値段でやってもらえれば」もしくは「設備して作ってもらえれば、そのあとわが社の生産ラインが◯◯あって、そこに数百台導入することになるから、、、。」とかいう大手企業が持ちかける「良さげな話」に乗って取り組んだのに、その後の受注が全くなかったというケースをよく聞きます。
うまい話と、実態がある話を見極めることも、重要な経営センスですよね。
少し難しそうなことでも、断らずにやってみることで、会社の成長につながる。
もちろん相当な苦労が伴うと思いますが、なんとかやり切ればその次がある。
客先の厳しい要望に応え続けていくことで、自社のレベルが自然と上がっていったという会社に出会うことがあります。
縫製工場においてブランド力があるメーカーのOEMを請け負うにあたり、高い品質要求にこたえることに注力した結果、工場の実力が高まった。一方で安売り系で、品質にうるさくないメーカーの仕事もやっていたがそちらの商品自体が市場から駆逐されてしまい、ブランド力のある方の仕事は残った。
複数の建物でビジネスを展開する企業との直接取引を数件獲得した電気工事会社がある。客先は、工事関係のことなら一旦はその会社に相談するという関係性を築いた結果、元の電気関係以外に、通信や空調、消防など建物の機能維持に関わる工事の依頼がどんどん増えてきた。うちはできませんと断ったり、外注に丸投げするのではなく、なんとか自社で畑違いの工事にも対応できるようにすることで、取引先にとって頼れる存在になることができた。
板金加工業で、客先の中長期のビジネス展開についての情報を得て、「うちが設備するからどんどん難しい仕事をとってください」というような形で、一般的な加工屋にはない長尺ものの切断や曲げができる設備を積極的に導入し、大型製品の加工を実現した。
この3社はいずれも、その時点の自社の能力ではすぐにできないことでも、できないと言わずにやってみることで、その後のビジネスにつなげています。
客に鍛えられることで企業は成長できる。