簿記の知識不要?経営コンサルタントの数字の見方

大手製造業様の中堅社員向けに、「ビジネス数学」なる研修を実施させていただきました。

企業勤めの方は、仕事をしていることイコール、ビジネスに携わっていることになります。そして、ビジネスの成果は必ず数字で測られます。

つまり、仕事は数字と不可分だということで、日々の仕事を数字に置き換え、数字を使って思考し、数字を操るような感覚が必要ではないかということで、この研修を実施しています。

企業の財務データは、ビジネス活動の結果が集約されたものですよね。したがって、決算書に並んでいる数字には、必ず意味があり、日々の仕事のやり方が反映されているわけです。

財務会計のことを勉強すると、様々な財務指標を用いた分析方法がありますが、ただ単に計算して比率を出しても、何も見えてきません。

何かと比較してはじめてその数字が高いのか、低いのかがわかります。
そして低いなら、なぜ低いのかを考えていくときに、その会社での仕事のやり方を想像してみて、仮説を立てるのです。

たいてい比較対象とする数字は同業種黒字企業平均などの指標を使うことになりますが、それらの企業と比べて、当該企業の仕事のやり方、例えば見積もりの仕方や、製造の指示の仕方、社員教育の仕方などで平均以下の仕事のやり方をしてしまっていることが考えられます。

われわれ経営コンサルタントは、あらかじめ財務データをいただいて分析するときにはこんなことを考えながら、仮説を構築したうえで、現場調査に入ります。

仮説があるため、企業の問題を特定するための裏とりははかどります。

どんな仕事のやり方をすると、あんな数字になるのかなあと考えながら調査します。

一見数字とは遠いようなこと、たとえば上司と部下の人間関係に問題があるとか、客先からのメールの返信が遅いなどといった些細なことも、因果関係をたどっていくと数字に行きつくものです。

どんな仕事にも意味があり、逆から見るとどんな数字にも意味があり、それらはお互いにつながっているのです。

 

結果としての数字には、必ず原因としての活動が紐づいている!

 

「これが無味乾燥な数字を、生きた数字に置き換える秘伝なんだけどなあ」

 

ですからみなさん、数字を見たら、なんでこんな数字になっているのかな?と思いましょう。

そうすれば、仕事の問題を見つけることができますよ!