仮説思考のメリットとは

「あ、この人仕事できそうだな」と思わせるのは、限られた情報しかなくても自分なりの仮説をいくつか考えられる人です。

研修の仕事をしていると、ケースを使って考えてもらう演習をすることがあります。

ビジネス場面をできるだけ具体的に描いたケースを使うのですが、すべての情報を網羅することはできないため、そこに書かれている情報だけを使って考えてもらうことになります。

受講者によっては、ここにはこれだけのことしか書かれていないので、結論を出せないと思考停止に陥ってしまう方もいます。

一方で、与件をリアルなものとして自分なりに解釈し、自分の経験や知識などと照らし合わせながら、この職場ではこんなことが起こっているのではないか?この人はこういう前提を持って行動しているのではないか?などと自分で想定をしながら、具体的な仮説を考えることができる人もいます。

実際の仕事場面でも、すべての情報が集まることはほとんどないですよね。

少ない情報の中でも、自分なりに意思決定して動いてみる。そして動いた結果を踏まえて、次の手を考える。

この仮説検証を高速に回すことで、自分の考え方が良かったのか、ダメだったのかの結果を早く確認することができますし、自分で考えたわけですから、その考え方は次に似たような場面に遭遇したときに、経験則としてすぐに適用することができるため、さらに仕事が加速することになる。

そうすると、自分なりの結論を出せないで止まっている人との差はものすごく開いてしまうことになります。

洞察力や想像力は、報連相といった基本行動をとるときにも活用しているはずです。

「このことを今すぐに上司に報告しないと、これがこうなって、その次にこうなって、結果こうなる可能性があるから、すぐに上司に報告しよう」と頭の中で考えて、すぐに行動に移す。

このような思考ができない人は、「なぜすぐに報告しなかったんだ!」と叱られてしまうのです。

これだけしか分かっていないから、考えられない。これだけで判断し行動したら失敗する。とリスクをとらないことが、最も高いリスクなのです。

「頭がかたいと、損するよ」

もちろん、拙速で失敗することや、仮説がはずれることもありますが、早い段階の方が軌道修正は簡単です。

勇気を持って、自分なりの仮説を出して、行動してみましょう!