経営コンサルが教える どうやる資金調達?

名古屋商工会議所様主催の「金融なんでもセミナー」に登壇させていただきました。

銀行時代にお世話になった先輩が会議所の指導員になられていて、大活躍されています。

その先輩が、会議所会員企業様の課題を分析されたところ、創業して5年ぐらい経過した企業様で、事業拡大を目指されているにもかかわらず、民間の金融機関での資金調達をどうやると良いのかについての知識やノウハウが不足しているという実態が明らかになったとのことです。

というわけで、先輩から今回のセミナーを通じて「会員企業様の課題を解決しろ!」というありがたい指令をいただいたという次第です。

 

セミナーでは、今から借入を活用した事業拡大を目指すということならば、のちのちの資金繰りに困らないための適切な条件で借入する方法をお伝えしたいと考えました。

具体的には、資金の使いみち(資金使途)と、どうやって返済するのか(返済原資)をセットで考えようというコンセプトです。

収支のサイト差で発生する資金需要は、売上代金回収後に決済する前提で、短期借入で対応し、耐用年数10年の設備投資ならば10年返済の長期借入金で対応するというようなイメージです。

たとえば受注が確定している商品の仕入資金で、海外工場に製造委託するような場合、支払いは海外送金ベースで先銭が必要となり、代金回収は4ヶ月後の手形というケースでは、手形割引もしくは短期借入で調達し、手形決済時に返済するという借入方法を選択するべきだということです。

金融機関任せにすると、信用保証協会付きの約定返済付きの長期運転資金で対応されことになりかねず、短期の資金需要を長期借入で賄うというアンバランスなバランスシートになってしまう可能性があります。

お金に色がついていないため、手形決済後に余剰となる資金はひょっとしたら別の目的で使ってしまうかもしれません。また、返済が進むと手元資金が不足して、また長期で借入するというサイクルに陥り、なんの目的で資金調達しているのかわかなくなってしまいます。

さらに、借入本数が知らぬ間に増えていくことで月額の返済負担が増加してしまって資金繰りを圧迫することになっていくのです。

 

事業資金を借りる時には、資金の使いみちと、どうやって返済するのかということをセットで考えろ!

 

「あたりまえのことなんだけど、だれも教えてくれないことかもしれませんね。」

 

借入する時には美しいバランスのバランスシートをつくるイメージで、借入条件を考えてみましょう。

金融機関や保証協会の審査次第という面もありますが、借りる側の意思を示す必要はあり、その積み重ねが、良い財務諸表を作ることになるのです。