販売管理システムを疑え!

卸売業でのお話。

とにかく販売取引の量が膨大になり、販売管理システムに日々の取引データがどんどんたまっていきます。

税理士事務所さんは、販売管理システムからアウトプットされた売上や仕入、在庫の集計情報を基本的に正しいものとして、試算表や決算書を作成します。

私たちコンサルタントも、出てきた試算表が正しいものとして分析を始めるのですが、なんかおかしいぞ!?ということがあります。

在庫や粗利益率の月次推移でどうも釈然としない試算表に出くわすことがあるのです。

販売管理システムに何かありそうだけど、会社の人に聞いても要領を得ないことも。

入力している人は「前任者にこうやってやれば良いと言われたのでそうしています」と機械的に仕事をされており、会社としてシステムのデータを分析することもないので、「集計や照会画面の使い方もよくわからない」と言われてしまう。

各社各様のシステムを使われているため、毎回システムの仕組みを紐解いていく必要があって骨が折れる作業となります。

あげくのはてに、データを検証するためにCSVでエクスポートしようとしたら、その機能がないというシステムもあったりして、そんな時はお手上げです。

しかし、粘り強く丁寧に業務の流れを追っていくことで、なんとなく問題がみえてくるものです。

具体的なケースとしては、帳簿棚卸がマイナスになっている商品を発見して、そこを突破口としてシステムの数字と元の帳票を追っていくと、仕入時に2本単位で登録してある商品を1本単位で販売しているのに、伝票起票のルールが徹底されていないため2本単位で販売したことになっていて、在庫データがマイナスになっている。とか。

こうしてシステムのデータからアプローチが難しい場合は、業務の上流にさかのぼっていくことで、見えてくることもあるのです。

中小零細企業では、人手の問題もあり内部統制の仕組みができていないことが多く、本来は二重三重にチェックする必要がある取引でも、担当者の責任で業務を回していることがほとんどではないかと思われます。

儲かっていればあまり問題になりませんが、赤字になってくると、この状態では赤字の原因を特定するのがとても難しいため、業績回復が遅れてしまうことになるのでわたしたちも焦ります。

ブラックボックス化している販売管理システムをこじ開けろ!

「社長その業務、ノーチェックで大丈夫ですか?」

結局、システムが悪いことはほとんどなく、人が行う仕事の仕方のどこかに問題があるのですから、そこを見つけて修正するということですね。