イケイケ経営の落とし穴

イケイケ経営と過剰債務

リーマンショックでも、コロナ禍でも最初に倒産の記事が出るのは、すでに過剰債務に陥っている企業でした。

過剰な債務をつくってしまうと、返済がしんどいですし、金利の支払いも当然大きくなります。

せっかく営業利益がプラスでも支払利息が過大だと、経常利益がマイナスになることも。結果的に自由に使えるキャッシュがないため、新たな投資もできずに身動きが取れなくなってしまいます。

投資といえば、ビジネスは投資判断の連続です。

借金して行った投資が失敗すると、お金を稼いでくれない資産と、返済をつづけなければならない負債がバランスシートに残ってしまいます。

いきなりステーキの例

小売店や飲食店が急激に多店舗展開すると、過剰債務に陥りやすいです。

いきなりステーキの店舗を急速に増やしたけれど、あまりに近接する地域にたくさん出店したこととで、不採算店舗も増えてしまって、大量閉店を余儀なくされた。この事例は記憶に新しいですよね。

いきなりステーキの運営会社ペッパーフードサービスさんは上場会社なので、資金調達の手段を選択する余地はありますが、中小企業では一度つまづくと取り返しがつかなくなってしまいます。

会社に本当に必要な投資の見極めと借金

中小企業さんでよくあるケース。最初は資金がないため、いろいろ節約しながらも工夫を凝らした小さなお店から始めます。そこがうまくいくともう1店舗出す。日銭商売だとお金があるように見えるから、どんどんお店を作りたくなってくる。はじめからチェーンオペレーションを想定していない場合は、店のコンセプトもバラバラで、3〜4店舗目になると経営者がもともとやりたかった夢を詰め込んで、大きな借金をしてお金をかけたお店を作ってしまう。この頃から雲行きが怪しくなる。なんてパターンの会社をたくさん見てきました。

結局のところ、投資のほとんどを借入に頼ってしまうところに問題があります。

しなくても良い借金は、勢いに任せて投資採算の見極めが不十分になったときにできるものだ!

「その投資判断、大丈夫ですか?」

経営者が夢やビジョンを語ることは素晴らしいですが、見栄を張るための投資は必要ないです。

売上規模と同じぐらいの借入になってしまうのはとても危険だと認識しています。

とにかく大きな借金をするときは、一旦は冷静になって立ち止まってほしいものです(難しそう)。