川上川下戦略で新しい仕事を獲得しよう

「できない言い訳考えていないで、まずやってみましょうよ!」

売り上げが低迷しているときに、何か新しい取り組みを考えなければならないと思っている経営者の方が多いのではないでしょうか。

そんなときには、自分の会社が身を置くサプライチェーン(製品の原材料・部品の調達から、製造、在庫管理、配送、販売、消費までの全体の一連の流れのこと)の川上もしくは川下に進出する事はできないか考えてみてはいかがでしょうか。

そんなの誰だって考えるよ!と思われるでしょう。

いざ考えてみると、取引先や業界のしがらみがあり、なかなか実現するのは難しいなぁと漏らす経営者が多いです。

もちろん、既存の取引の流れの中でお客さんを飛び越してその先のお客さんにアプローチする事は倫理的に問題があります。

でも、それだけであきらめるのではなく、たとえば取引先の周辺業務を手伝うような形で請け負ってみるのは、自社の強みも活かしやすいですし、比較的リスクが低い取り組みです。

卸売業が、卸先のお客さんがやっている加工の一部をやることで加工業に進出するという話はよくあります。

運送業が倉庫作業を手伝うというのも、当たり前のようにやられています。

一次下請けから送られてくる図面どおりに作っている二次下請けの加工屋さんが、一次下請けのポジションで仕事をすることで、打ち合わせからやるという手間と引き換えに、別の会社に振られていたような加工の仕事が取れたりします。

この場合は既存のサプライチェーンの中で飛び越えるわけにはいかないので、発注者と同じ立場の別の企業との新規取引を開始する必要がありますが、経営者同士のつながりの中にたいていの業種の経営者がいるはずなので、そのようなネットワークから仕事を作り出すのです。

余談ですが、経営者の方は、経営者の勉強会に参加すると経営者の仲間ができます。そこで信頼関係を構築すると「◯○さんのところこんな仕事できる?」と声がかかることが多いです。

とにかく、自社の役割を拡張するイメージです。

取引相手が「面倒だな」と思うことの中で、自社との取引の前後で代わりに請け負う、客の役割を代理するという仕事がないか、あらためて考えてみましょう。

川上川下に進出することを考えるのは立派な戦略だ!