転ばぬ先のリスケジュール

資金繰りの相談をいただく際に、症状の軽重を判断する目安としているのは、消費税や社会保険料の滞納があるかないかです。

両方とも支払いを一時的に猶予してもらうことはできますが、次の支払いがすぐに追っかけてくるものですし、いつまでも猶予してもらえないからです。

しかも、これらは売上規模や人件費総額に比例していて、金額的に大きなものである場合が多いです。数億円の年商規模の会社でも、すぐに数千万円の滞納金になってしまうイメージです。

以前と比べると、取り立てが厳しくなっており、安易に支払い猶予の候補にあげない方が良いです。

これらが支払えない状態は、現在取り組んでいるビジネスにかなり深刻な問題を抱えていると思って、大至急なんらかの改善策を打つ必要があります。

そんなときこそ金融機関に相談すれば、支払猶予の手続きをしてもらえる可能性が高く、しかも経営改善に向けた支援にまで踏み込んでくれることもあります。

信用保証協会や、わたしのような外部支援者とも連携して、経営改善計画の策定まで付き合ってくれる可能性もあります。

実際のところ、現在進行形で信用保証協会さんの予算を使わせていただきながら、企業側の費用負担なしで経営改善計画の策定支援をおこなっています。

このケースでは、メイン銀行から信用保証協会に条件変更の申請をした流れで、この支援制度を利用することにつながっています。

経営改善計画を策定する目的は、文字通り経営を改善することで返済原資を確保し、返済再開の道筋をつけるためです。

したがって、単に数値計画を作るのではなく「利益を出すために何をするのか!?」を徹底的に検討します。

現在取り組んでいるサービス業のケースでは、競合する全国チェーン店との差別化の方向性を議論したり、Google広告やFacebook広告の活用、会員へのDMなどの具体的な集客方法を検討しています。

また、固定費削減のためにどの生命保険を解約するのかなど、利益を捻出するためにやれることはなんでもやることを前提に、改善策をまとめていきます。

わたしの経験上、真摯な姿勢でビジネスをしている企業さんであれば、一時的な困難に対して周囲から救済の手が差し伸べられるものだと認識しています。

税金や社会保険が払えなくなると、会社の資金繰りはかなりやばいと思え!

「いろんな制度があるけれど、一般的には知られていないよね」

全てのケースが無料支援の対象になるわけではないですが、なんらかの企業側の負担軽減のための選択肢は用意されているはずです。

資金面で先行きの不安があるときは、何はともあれメイン金融機関に相談を持ちかけることにしましょう。