理念浸透のヒント

製造業のお客様で、社会人基礎研修を実施しました。

今まで体系的に研修をやってこなかったこともあり、仕事に取り組む姿勢や、基本的な仕事の進め方などを理解していない社員が多いとの危機感から企画されたものです。

今後は年3回の研修を定期開催することが決まっており、まずは新入社員研修で一通り学ぶ内容を、全社員を階層ごとに分けてやってみようという試みです。

わたしは最上位の階層を担当しました。

その中で、経営陣が作り上げた行動指針について議論するセッションを設けました。

5項目ある行動指針について、現状はどうか、指針に沿って行動してもらうためには今後どのようにしていくかについて、時間を割いて議論をしました。

指針に書かれている言葉の定義を考えたり、自分たちなりの解釈を考えながら、部下にどう行動してもらうのか、そのために自分たちがどう関わるのかについて深く話し合うことができました。

今後の部下との関わり方や、管理者としてのあり方について導き出されたキーワードは、熱量、巻き込み、気配り、前向き言葉、笑顔などでした。

この議論を通じて、会社組織で役割を果たすためには、社内外での自分の存在価値を上げていくことと、ステークホルダーの人々との具体的な関わり方・影響の及ぼし方をしっかりと意識して働く必要があるんだということに、あらためて気づかされました。

そして、これらのことを部下に理解させるためには、上司がイキイキと元気よく働く姿を見せることが大切なんだと感じました。

理念を組織に落とし込むために社員とじっくり議論しよう!

「仕事のやりがいは、やっている時は感じない。むしろ辛いことの方が多いけど、目標を達成したあとで感じるものだという意見があって、その通りだなと思いました。」

理念や指針を浸透させるのは難しいけれど、理解してほしい人材に近い存在、たとえば先輩から伝播させることが効果的という意見もありました。

上から言うより、横のつながりや、斜め上ぐらいの近い立場の人の行動が影響力を持つということ。

組織を動かすためのヒントになりそうです。