コンサルタントが主観的な意見を述べる技術
コンサルタントの仕事はお客様の問題解決です。
問題解決のプロセスでは、事実情報と理論を使って論理的に解決策を導き出します。
つまりすべて客観的な、ものの見方になっています。
その企業を良くするために、もしくは経営者のビジョンを達成するために考えられる最善の策であり、それが事実に基づいているからこそ、経営者も、社員も、コンサルも同じ方向をむいて行動することができるのです。
コンサルタントが一方的に考えた意見だとしたら、そうはいかないですよね。
しかし、時には主観的な意見というものを使う時もあります。
経営者と長くお付き合いする中で、メインのコンサルテーマ以外の話題についてもたくさん話す場面が出てきます。
たとえば、「コロナ禍のあとはどうなるだろうか」や、「昨日○○という社員がこんなことを言ってきたんだけど、どうしよう」とか、会社では思いも寄らないことが毎日起こるので、それに対処していく日々です。
全ての事実を知ることもできませんし、その場で答えを出さなければならないこともあります。
そんな時には、極力事実を外さないように意識はしますが、それまでの経験値やその時点で知っている情報を総合して、自分なりの意見を表明するようにしています。
「わたしならこうする」や、「A社では◯◯という事例でうまくいきましたよ」というような表現を使うことが多い気がします。
完全な主観というよりは、できるだけ客観的に考えた主観とでも言えば良いのでしょうか。
その考えを採用してとにかくやってみて、結果を見てみるということになれば、その考えは仮説となります。
つまり仮説というのは、できるだけ客観的に考えた主観的な意見であり、検証を前提としてやってみることなのだと思います。
仕事は学校の勉強と違って正解が用意されていないですよね。
仮説検証のプロセスを仕事にとりいれることで、自分なりに問題を解決しながら進んでいくことができるということがわかりますよね。
コンサルタントは、主観と客観を使い分けろ!
「経験もある程度必要そうだなー」
知識や技能、経験と、目の前に起こっている現象(事実)を使ってようやく仮説を立てることができるということなら、新人が一人前になるには、やはり5年ぐらいかかるのでしょうね。
したがって、新米コンサルタントのときは、冷や汗かきながら仮説を絞り出していたわけです。
今もお付き合いいただいている企業様には感謝しかないです。