ケースメソッド教授法で授業
大学で担当する起業論でケースメソッド授業を行いました。
学生の積極的で頼もしい発言がいくつも聞かれ、授業計画時に考えた教育目的を果たせたと実感できました。
ケースメソッドを取り入れて5年目になります。
起業のプロセスで発生しがちな問題やリスク、必要な起業家精神などは、いくら口頭で説明しても、仕事経験がない学生さんには理解しづらいところです。
ビジネスで実際に起こることは、人間くさくて、複雑で、華々しいスタートアップ企業の成功ストーリーのように決して格好良いことばかりではないですよね。
ケースには詳細にその辺りが書かれており、学生にケースを読み込んで授業の準備レポートを事前に作成してもらうのですが、授業前まではケースに書かれていることの半分も理解できていない状態の人が多いようです。
グループディスカッションで学生同士が議論することを通じて、他者の視点を取り入れることができたり、理解度を深めたりすることができているようです。
また、全体討議の最初に、起業家の経歴、会社の組織体制、ビジネスフロー、財務諸表の実態などについて整理しながらケース企業で起こっている問題について丁寧に取り扱うことで、起業の実態が浮き彫りになってくるため、リアリティを持って討議を深めることができたのではないかと思っています。
学生からも「学びの多い時間でした」「自分では気づけなかった問題点や指摘に気づくことができた」「同じ文章と課題なのに人によって違った意見や違った視点が生まれていて面白かったです」など概ね好評なフィードバックをいただけました。
あらためてケースメソッド授業を「やってよかったなぁ」と。
企業の研修でも実施していきたいです。