知らないと損する決算書の読み方 損益計算書編
先日は、貸借対照表は資金の調達と運用の状態をあらわしていると書きました。要するに、どんな感じでビジネスに投資しているのかがわかるものです。
ビジネスに投資する目的はリターンを得るためですよね。そのリターンというのが会社では売上になるわけで、これが損益計算書に計上されます。貸借対照表と損益計算書はここでつながっていると思っていただくとイメージがしやすいと思います。
損益計算書は単純で、収益から費用を引いて利益を計算しているだけのものです。決算書を分析する二つ目の視点は、収益性になります。つまり売り上げに対して利益がどれぐらいの割合で出ているのか。これはまた詳しく解説します。
そして最後に残った当期純利益は貸借対照表の調達側にあたる「純資産の部」に戻ってくるということになります。当たり前ですが、利益が多ければ多いほど良いわけで、なぜなら自分で資金を調達したものなので返済不要だからです。このお金でまた投資ができるため、一つ目の分析視点である調達と運用のバランスが良くなっていきます。
二つの財務諸表の間で、調達→運用→売上→利益→調達→運用・・・のように循環しているわけです。
二つの財務諸表のつながりを理解すると、次のような見方もできます。それは、できるだけ少ない資金調達と運用(貸借対照表)で、たくさんの売上や利益(損益計算書)を作ることができたら、経営が楽ですよねということです。お金を効率的に使っているという評価ができて、これが決算書を分析する三つ目の視点です。ビジネスを始める場合でも、新たに投資をする場合でもこの考え方は使えます。
①調達と運用のバランスを見る、②収益性を見る、③少ない元手資金で、たくさんの売上・利益をあげているかを見る、という3つの視点で決算書を読んでみてはいかがでしょうか。
つづく