中小企業にSDGsの取り組み必要ですか?
あなたはSDGsの17項目全部言えますか?
お恥ずかしいことですが、わたしは言えません。
でも今日は、中小企業がどうやってSDGsに取り組めば良いのかについて、書いていきます。
この数ヶ月で、中小企業の社長と話していると、ほぼ毎日のようにSDGsの話題が出てきます。
経営者の仲間内でもSDGsに関する会話が増えてきて、その中のどなたかが「何か取り組まないといけないかな」と取り急ぎホームページで取り組み方針などを公開したりすると、他の経営者も連鎖的に「ウチも何かやらないとまずい」と焦りはじめているのではないでしょうか。
SDGsの17項目を見ると、普通の感覚の人なら誰でも、世の中がこうなると良いなと思うようなことが書かれていて、経営面で考えても、よほど非倫理的な考え方の経営者でなければ、普段からこうしたいなと思っているはずのことばかりです。
どちらかと言うと社会的に影響力が大きい大手企業こそ取り組むべきことであって、中にはSDGsの何かの項目について思い切り反する活動をしている企業もあると思われるから、大企業が取り組む意義はあるのではないかと思っています。
では、中小企業としてはどうしたら良いのでしょうか。
中小企業はSDGsブームに踊らされず、付加価値アップとセットで考えろ!
10数年前から環境負荷を徹底的に抑えた旅館がありますが、そちらの宿泊料は1人一泊5万円、夫婦で行けば10万円が最低ラインという商売をされています。
高い価格に見合う超一流の宿泊体験を提供できるようにサービスを磨き込むことが大前提にあります。
そして、価格の一部に施設で排出されるゴミや排水の施設外流出ゼロ、原生林の保全などにかかるコストを転嫁して、宿泊体験と環境保全への取り組みの両方に価値を見出してもらえるような経営努力をしています。
わたしが考えるポイントは、SDGs活動分を価格に反映させるということです。
そもそも企業活動は効率を追求して利益を確保するものです。
しかし、これ以上効率ばかり追っていると持続可能性が担保されないという問題意識から、SDGsやESGというコンセプトが生まれたとわたしは認識しています。
つまり、持続可能性を意識すると効率が低下するという、トレードオフオフの関係が基本にあるということを念頭に置く必要があるということです。
SDGsに取り組むということは、コストアップにつながるということ。
したがって、経営面ではそのコストを誰が負担するのかという考えを持たなければなりません。
わたしが問いたいのは、あなたの会社にそのコストを負担する力がありますか?ということです。
その余裕がある中小企業はどれだけあるのでしょうか。
それでも、問題意識を持ってSDGsに取り組もうというなら、その活動をビジネスの付加価値として認識してもらえるぐらいまで考え抜くべきだと思います。
コストを価格に転嫁しても顧客に納得してもらえる製品やサービスを開発しなければ、それこそ中小企業の持続可能性が低下します。
中小企業はSDGsというワードに踊らされず、付加価値アップとセットで考えろ!
ただ単に「SDGsはじめました」では意味がない。
SDGsのテーマを取り入れた自社の商品サービスはどのようなものが考えられるか、既存の価格帯より一段上の価格のものを開発するという目標を持ちながら、実際にアイデアを出すところからはじめてみてはいかがでしょうか。