ハラスメントが怖くて指導できない?そんな時こそ人事考課を活かせ!
人事考課はマネジャーが使える数少ない道具の一、適切に使ってチームの戦力を底上げしよう。
顧問先企業で人事考課者の研修を実施しました。
人事考課といえば「賞与」や「昇給・昇格」の査定のため、というイメージが強いかもしれませんが、私は部下育成のための強力なツールだと思っています。
会社が用意している人事評価基準は、社員に「こうなってほしい」という願いが詰まったもののはずです。たとえその基準が一般的なものだったとしても、仕事を遂行する上で必要なスキルはある程度共通しています。だからこそ、それを活用しない手はありません。
実際、多くの企業では「態度・能力・業績」を点数化する評価と、「目標管理制度」を組み合わせて運用しています。整合性の取りづらさはあるものの、完璧な制度は存在しません。むしろ大切なのは、マネジャーがそれを「人を育てる道具」として使いこなす意識を持てるかどうかだと考えます。
近年は、個人情報やハラスメントの問題がクローズアップされすぎて、「部下に率直に接するのが怖い」といった声をマネジャー層から多く聞きます。でも、部下は仕事を通じて成長したいと願っているはず。だからこそ、上司は手を差し伸べるべきであり、その時にこそ人事考課制度を使ってほしいのです。
会社が求める人材像を言語化した評価基準や目標のあり方など、社内で共有された「モノサシ」をもとにフィードバックすれば、マネジャーの主観ではないことが明白になります。部下から見ても、理不尽な要求をされているという感覚はなくなるはずです。
そのモノサシを使いながら、真剣に、愛情を持って部下に接していけば、ハラスメントの入り込む余地などないのではないでしょうか。
「マネジャーの仕事は部下を育てること」と割り切ってみたらどうでしょう!?
目標設定→業務支援→フィードバック→次の目標設定というサイクルを回し、部下の成長を本気で支える。これができれば、上司と部下の関係もぐっと前向きなものに変わっていきます。
もちろん、ほとんどの方がプレイングマネジャーであることは重々承知しています。それでも、人が成長することに貢献できるのはマネジャーだけが持つ特権だと思います。
どうか、人育てにチャレンジしてみてください。