コンサルタントのヒアリングのポイント その5

コンサルティングを開始する際に、経営者ヒアリングをしてから、複数の幹部社員のヒアリングをすることが多いのですが、一つの事象に対して、それぞれが違うことを言うときがあります。

一体どれが事実なんだ?

わたしは、ヒアリングで聞いたことを事実としてそのまま鵜呑みにすることはしません。利害が対立する当事者同士から話を聞く場合などは、とくに注意が必要です。

ドラマみたいな話ですが、相手を陥れようとして小さなことを大きく膨らませて言ったり、主観的な意見なのに、さも本当のことのように聞かされたりと。

この時点で会社内の人間関係についての事実情報は収集することができるので、それはそれで収穫ありなのですが、肝心の知りたいことについては藪の中にあると思わなければなりません。

そういうときは、必ず第三者的な立場の人からもお話をうかがいます。そしてここからがポイントで、その人から具体的な出来事や事例を聞き出して、そのことが記録されている帳票や、システムに入力されたデータまで確認することにしています。

そうすることで、ようやくバイアスがかかっていない「事実」をつかむことができます。

このようにして集めた事実をベースに組み立てないと、会社を本質的に良くするための助言はできないということを、何度か痛い目に遭いながら学びました。

ヒアリングでは、裏の裏の裏をとれ!

「ホントのこと言ってよー」

事件の捜査をやってるわけじゃないんだけどなー、と思ったりすることもあります。