人を動かすには
昨晩布団に入ろうとしたところ、受験生の娘から「話がある」と引き止められました。
何か重大な決断をしたような面持ちだったので、こちらも身構えて妻と話を聞くことに。
なかなか切り出せない様子を見ながら「受験やめる」とか、「志望校を大きく変える」とか言い出すのかなと、いろいろ余計な想像をしてしまいます。
ようやく口を開き「◯◯まで、部活を続けたい」と。
管弦楽部としての最後の演奏会が11月にあるのですが、受験のためにそれは諦めるという方向だったのをひるがえして、そのときまで部活を続けたいということでした。
「なんだそんなことか」と内心ほっとしましたが、我が家の方針を決定しなければなりません。
もともと塾の面談でこのことを決めたので、受験勉強の進み具合と、成績の状況がカギとなります。
模試の結果はE判定が続いており、なかなか厳しいとの認識です。
ただ、夏休みに入ってからも休みなく塾通いしていて、過去問を10年分解くという修行のようなことを頑張っているのはわかっていました。
その勉強で過去問の正答率が上がってきたということ、これから受ける英検の合格にも目処がついていること、志望校の受験制度も考えると自分の中で道筋が見えたというような説明を受けました。
また、中学の3年間は一人だけ学校の古いホルンで頑張ったことや、部長として奮闘していたこと、コロナで部活停止となって腑抜け状態になったことなどを見てきたので、部活にかける思いはいやというほど私たちにも伝わっています。
今まで娘が何かやりたいと言い出した時には、その理由をきちんと説明させることを続けてきました。
大人のわたしが要求する水準が高すぎたのかもしれませんが、納得いくようなことはほとんどありませんでした。
本当にやりたければ、論理だけじゃなく感情も伴うことになり、その両方を使って必死になって説得すれば人を動かせるはずである。そういうことを娘にもわかってほしいと思っていたからです。
そんなことで、最近は自分からこうしたいと言い出すことがほとんどなかった気がして、わたしなりに厳しすぎたかと反省していました。
受験勉強が現在の彼女の生活そのものになっている時期にもかかわらず、相当な覚悟の上での決断であることを夫婦で受け止めて、部活続行という結論になりました。
自信を持てたら、自分が動き、人を動かすことができる。
「娘よ、勇気を持って言ってくれてありがとう。コロナで大好きな部活がほとんどできなかったからね。もともと受験も自分から言い出したことだし、全てのことに自分の意思を込めて、責任を持って行動していけるなら、どんな結果になっても良いですよ。」
1週間ほど言いたくて夜も寝られなかったとのことです。よく寝ていましたが(笑)