【成功事例】値上げを勝ち取るために準備すべきデータとは?
製造業の値上げ交渉のためには、ミクロとマクロのデータを準備しよう!
以前書いた製造業の値上げ交渉の記事の続編です。
値上げ交渉の準備を支援した結果、取引先企業によっては、ミクロすなわち製品ごとの個別実際原価計算を根拠とするケースと、マクロすなわち燃料費や運送費など自社の管理外コストを時系列で分析したデータを活用するケースに分かれました。
ミクロ・マクロの両方を準備するのは、手間も時間もかかります。しかし、今回の事例では5社総額で約4千万円の値上げ効果を得ることができました。根拠データを作り込むために延べ15時間もかかりました。過去の決算書や製品の生産実績、賃金台帳、減価償却資産台帳などを紐解いて試行錯誤した結果、2,666千円/時間の価値がある分析作業でした。
成果が出てよかったー!
取引先企業との関係性や、下請け取引ピラミッドのどの位置にいるかによって交渉の難易度は変わりますし、交渉はやってみなければ結果はわかりません。しかし、こちらから持ちかけない限り何も始まりません。値上げ要請をするにしても、根拠データがあるのとないのでは結果が全く違ってくると確信しています。
本質的なところを言うと、「どこでもできる加工」は価格競争にさらされやすく、交渉も不調に終わりがちです。しかし、技術力や品質管理、納期遵守など、自社の強みを活かせば、価格交渉も対等に進められるでしょう。