コンサルタントのヒアリングのポイント その6
経営戦略を考える時には、必ず会社の強みを把握する必要があります。
競争に勝つためには、自社の得意なことを使って他社と差別化しながら、ビジネスチャンスをつかみ取るというシナリオが定石となるからです。
経営者にただ「強みはなんですか?」と質問するだけでは、なかなか本質的な部分にたどり着けません。
そんな時は、たとえばバリューチェーンの図を社長と見ながら議論したり、バランススコアカードの戦略マップを意識して質問していったりと、なんらかのフレームワークを使いながらヒアリングすると良いでしょう。
サービス業で戦略マップを意識して質問する場合。
まずは財務の視点でどのサービスメニューが利益率が高いかとか、売上の構成比が高いかなどを確認します。
つぎに顧客の視点で、お客さんの口コミや感想などから支持されている理由を探ります。
そして、業務の視点で、お客さんに喜んでもらうために、具体的にどのようなことに気を付けているか確認したり、接客場面を再現してもらったりしながら「なるほど!」と感じられる部分を見つけ出します。
最後に成長と組織の視点で、社員の教育のことや、組織図を書きながらメンバー一人一人のことや、経営者が社会人になってからこれまでに何を身につけてこられたかなどを掘り下げていきます。
社長と一緒に、気楽にフレームを埋める感覚で考えていくと、途中から「そういえば昔こんなことがあって、それをきっかけにあんなことをやり始めたらリピーターが増えた」というような話が聞けたりします。
社歴が浅い会社は経営者ご本人がそのまま強みであることが多く、社歴が長いと、強みがシステムとして組み込まれていることになるため、なんらかのフレームに当てはめながら紐解いていくことが効果的です。
会社の強みを紐解くフレームを持て!
「そんなことが自然にできてしまうなんてすごいですね!と思うことがよくあります」
会社によって使えるフレームワークは違うため、いろいろ試してみる必要がありますね。